Thailand
昨年入手した東南アジア産の塊根性ケロペギア。入手元の話によれば、タイ北部、ラオスとの国境付近に生息しているものだそうです。北西部なのか、北東部なのかはわかりません。中国南部の雲南省にもブラキステルマが分布していますし、この一帯には塊根性のガガイモが数多く分布しているのではないかと予想しています。タイのケロペギアはそれなりに種類が豊富なようで、私も数種類把握しています。稀に日本に入ってきても、花の写真が添付されていないことが殆どでして、どのタイプなのかは草姿で判断するしかありません。どれも学名がわかりませんので、事前調査しておくと好みの個体が手に入りやすいと思います。今回記事にした個体は、私が調べた限り殆ど栽培例が無いと思われるタイプです。今のところ、草姿はBrachystelma gracileとよく似ています。ただ、今後、蔓状に生長する可能性があり、そうなるとまた印象が変わってくるでしょう。この個体、開花が始まるとその後は立て続けに咲きますが、開花翌日には写真2枚目のように色素が抜け垂れ下がった状態になります。※写真1枚目はカットした花を用土の上に置いています。
こちらは開花直後の写真です。花の長さは5㎝程度。作りがシンプルで色も地味です。しかしガガイモらしく捻くれた性質を持っています。香りがカメムシの悪臭とそっくりなのです。広範囲に漂う香りではないので、花数が少ない場合は近付かないとわかりません。アンゴラ産のStapelia sp.の花も同じようなカメムシ臭でした。
塊根は若干いびつな形状。現在直径4㎝程。ケロペギアはこういう芋が多いですね。
たくさん咲いているので、1つ花を切り開いて副花冠をチェック。アフリカやマダガスカルのケロペギアと似たようなものでした。それにしても、カメムシの悪臭系の香りに反応して訪花する虫ってどんな種類なのでしょうか?あまり関係ないですけど、タイやラオスにはカメムシ料理があるそうな…。
塊根は埋めていますが、完全に埋めると至る所から根が出てくるため、上部は露出して、その上に石を敷き詰めています。日当たりのよい場所に置き、用土が乾いてきたら灌水しています。ブラキステルマの管理とほぼ同じです。これもガガイモお馴染みのカイガラムシが付きやすく、注意が必要。冬に一度駆除しています。